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la souvenir

Posted on 2023.02.01

Paris

到着と同時に届いたストライキ情報。
フランス政府が発表した年金政策に対して行われるという。
ちょっとオロオロする訪問者に地元の対応は極めて冷静。
いつものことよ。交通が不便だけどね。
それでは明朝タクシーの予約を、とホテルにお願いしたら
今夜はもう無理!と笑顔で返される。
テロ、デモ、ストライキ。
とんでもない言葉が、美しき街パリの今を象徴するなんて悲しい。
こちらの事情を察してくれたカトリーヌさんからすかさずメッセージが届いた。
夜明け前の凍える寒さの中、迎えに来た彼女と震えるハグ。
みんなで乗り込んだぎゅうぎゅうの車内が無性に暖かだった。

バイイングは緊張の連続。今回は時間との勝負。
ヘトヘトになるほど歩くけど
良きものと出会えた時にチャージされるエナジーは有難い。
実際にものを見て、触れて、創り手の話を聞いて。
この出会いが数ヶ月後に沖縄に届いてお客様の目に触れる・・・。
いつもなら店舗にいてお客様を知るバイヤー同行だった。
そして彼女たちに大半を任せていた。
なんということ、
いまさらながら彼女たちのプレッシャーとシンクロナイズ。
アグレッシブに動き回り、気持ちを落ち着かせようとする自分がいた。
大丈夫、いい出会いがあった。
大丈夫、きっと喜んでもらえる。
興奮と不安が交錯する時間、キーンと響く背中の痛み。
寒さと厚着と重い荷物。年齢のせいだけじゃないよね。
熱い湯船が毎夜のパートナー。



愛しい人に会いに行く。
仕事が終わってその時間が巡る。
羽田で見つけた薄桃色の美しいパッケージ『越乃寒梅・無垢』が手土産。
あ、逆かな。手土産を理由に会いに行く必要を作っている。
日本酒を嗜むかどうかわからない。そんなことさておいて。
案の定、マダム・クリスティーヌはパッケージを喜んだ。
さらに、これ(日本酒)があるなら山盛りのイクラとウニが食べたいとはしゃいだ。
いつかまた日本に行けるかしら。沖縄に行けるかしら。
沖縄のマダムたちは皆オシャレだったわ、東京よりもおしゃれ!
ミカは元気?リョウはまだいる?
そんな懐かしい話に盛り上がりながら
彼女を訪ね、その場にいる理由が腑に落ちた。

ストリートアートとロック。三世代を刺激するアート。
ギャラリーを始めて5年、やっとコンセプトが固まってきたの。
タイミングよく入ってきた若い子たちを招きながら私にウインク。
ゲンスブールを口ずさみながら展示された作品を優雅に語る人。
今もパートナーとして働くミッシェルさんの胸には
かつて一緒に作ったOKINAWA TOUCHのアクセサリー。

還暦を過ぎるとモチベーションの維持が体調管理とともに必要になる。
いつまで現役でいられるのか、いていいのか。
二人のアクションはきっとそんな波を乗り越えたところにある。
毅然としたオーラが物語る見事なアドバンスト・スタイル。
嬉しくてたまらない。
 
Galarie de la Clé -23 rue Michel le Comte 75003 Paris https://www.galeriedelacle.com