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la souvenir

Posted on 2023.03.01

LETTER FROM OUR FRIEND.

かれこれ二十年余の歳月が経っている。
あの頃が一番きつかった。一番の転換期だった。
今ではそんなふうに振り返ることもできる。
その時代を知るスタッフは少なくなったけど、
一緒に乗り越えてきた仲間とはどこか阿吽で
微妙な調子とか言い回しとか価値観とかをシェアする癖がついている。
そう考えると・・・あの時代があったからこそ、なのであろう。

1999年、那覇新空港開設。
同年沖縄型特定免税店法成立、沖縄特定免税店那覇空港オープン。
北部には世界レベルのリゾートホテルが誕生、
万国津梁館が完成し、2000年沖縄サミット開催。
沖縄が世界のディスティネーションとして稼働を開始した。
街は続々と整備されアウトレットモール、大型ショッピングセンター、
第三セクターによる商業集積地などが誕生し人々の動線に選択肢を増やす。
2002年開館、沖縄ちゅら海水族館は沖縄ブームを一挙に盛り上げ
観光入客数が500万人を突破する時代に。
沖縄を照らす光が輝きを増す中、私たちは闇へと吸い込まれた。
沖縄観光戻税制度廃止。
香水や洋酒、ブランド品を調達するために我々に必要だった制度。
廃止に至るには利用する者が少なくなったからであり、
だからこそ沖縄型特定免税店法が設立した。
しかしながら我々はその制度を駆使し、多くの観光客の需要を担っていた。
長きに渡り構築してきたシステムが簡単に壊れるはずはない。
そう思ったのはほんの数ヶ月。
目に見えて変化していく物の流れ、金の流れ、人の流れ。
背筋が凍った。
自慢だったブランドとの取引が次々と断たれる。
        
我々の存在はすでに過去のものとなり、繋がっていた糸はすでに見えない。
その上、大きな設備投資をしたばかりで状況は過酷。
大胆なリストラは必須となり、心と頭がバラバラになる。
繋がっていたはずの糸の脆さ。
傲慢な依存心。
お客様は途切れなくきてくれるもの、そんな都合のいい白昼夢。
毎日唸りながら、少しずつ、小さく、さらに少しずつ脱却の舵を切る。
信じていたい言葉を探す。
癒してくれるものを見つける。
何にも知らずに飛び込んできた若いスタッフの言葉や
屈託のないアイディアが暗闇の中でキラリと光る。
億単位で吹っ飛んだブランド商品の代替品は
なんとオリジナルで作った一枚200円のクリアファイル!
なんともまあ、吹き出してしまうような事実。

LETTER FROM OUR FRIEND.
今月から誌面にお目見え。
店頭にならぶ色々を創ってくださる人たちが世界各地にいます。
その人たちに女子会風に沖縄の話をし、
その人たちの話を女子会風に聞く。
まさかな話だけど、そんな繰り返しが細い糸を少しずつ太くしてくれて
時にオリジナルな色彩までほどこしてくれます。
そこに交わる人が増えるたびに
網目は豊かに頑丈なものになります。
人と人を結びつけ、あなたと一緒に夢を描く。
絆を積み重ねていくビジネスがきっと私たちの道。
it’s inspiring!