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Posted on 2021.06.04

旅ゆく米、チムグクル / BLUE ZONE OKINAWA

BLUE ZONE OKINAWA
健やかに、生きがいを持ち長寿を喜び讃える人々が暮らす世界5つのゾーン、“BLUE ZONE”。
このページでは、“BLUE ZONE”のスピリッツを彷彿とさせる
県内外、国内外のFOODに関わるステキな出会いを綴ります。

RED BEANS AND RICE
旅ゆく米、チムグクル


アメリカ合衆国フロリダ州と沖縄県、遠く離れた二つの地域は、世界有数の観光地であり、白い砂浜、青い海、そしてサンゴ礁、離島群小が広がり、亜熱帯動植物の多様性に恵まれた美しい海洋文化を誇るという特徴を持ち合わせている。一方で、この両地域ともに、水稲栽培が盛んだった場所としての記憶は忘れられている。最初に我が島、沖縄は『琉球国由来記』によると、琉球開びゃく神阿摩美久(アマミキヨ)がニライカナイから稲の種子を持ち込み、村の人が育て方を習い、「浜川ウラ原の親田、高タカマシノマシカマ田」(受水走水 *南城市玉城仲村渠区)に苗を植えたのが沖縄の稲作の始まりと言われている。この土地では古来から継承された赤米(羽地赤穂)を2017年に仲村渠稲作会が復活させ生産に励んでいる。

フロリダ州では沖縄同様に、稲作栽培が100年近く途絶えていたのを、2014年に当時20代後半のマイヤー氏が祖先から代々継承されてきた古代米をコンガリー&ペンファーム(Congaree & Penn Farm)にて復活させた。しかし、過酷な歴史も背負っている。アメリカ南部に稲が持ち込まれたのは、タバコ産業の労働力として強制的に連れてこられた西アフリカ人の奴隷達から始まる。持ち運ばれた稲は、彼らの髪の毛の編みこみに隠し持ち込まれたのだ。南部は湿地帯が多く、特に北フロリダ州は水稲栽培には環境的に適し、文献によると1685年に北フロリダで稲作が始まった。近年この品種をDNA分析した結果、マダガスカルの品種であることが判明した。

そんなフロリダやアメリカ南部にはアフリカ食文化がヨーロッパ人の植民文化に溶け合い、豊かな彩りを施した。その理由は農業も家事も担うのは奴隷だったため、彼らが持ってきた野菜や料理が主人の食卓を豊かにしたからだ。中でも紹介したいのは、主に北フロリダ州でご当地食といっても良いRed beans and rice (赤豆とご飯)。奴隷の人々にとって手に入りやすかった赤豆(金時豆)と米、そして白人の主人たちが食べなかった豚足を愛情込めて煮込んだソウルフードだ。奇遇にもその赤豆(金時豆)は沖縄では、甘味として愛されている冷やしゼンザイに活用される。近年、奴隷の食文化がアメリカ食文化に大きく影響を及ぼしたことは賞賛され、料理界でも見直されてきている。

今ではフロリダ州の代表的な地方料理、Red beans and rice だが、食材を見ると金時豆、米、豚足が主材料。沖縄でも豆は甘味として好まれて食されているが、料理として食べる調理法は少なく、それが大きな違いと言えるかもしれない。だが、継承していきたい共通点は、食材を余すことなく、美味しく、多くの人々と分け合って食べるチムグクルかと思う。疲れた時に、優しいたんぱく質が必要な時に、笑いながら鍋をかき回して作る Red beans and riceはウチナンチューの口と心に合うかもしれないと思っている。

[ レシピ 4人前 ]
赤米50g、タイ米250g(水は米と同量/日本米でも可)
豚足400g、玉ねぎ1個、
セロリ4本、トマト1個、月桂樹4枚、生姜1片、
ビーンズ 380g×2パック、ブイヨンキューブ1個
適量:トマトペースト、 タイム、チリ塩、塩、コショー、
ニンニク、オリーブオイル
1. 圧力鍋に豚足、生姜、たっぷりの水と塩を入れて20分ほど炊く。
2. 鍋が冷めたら漉す。豚足は小さい骨を取り除く。
3. 玉ねぎ、セロリは茎と葉をわけてみじん切り、ニンニク、トマトはザク切り。
4. 鍋に油をひき、セロリ、玉ねぎ、ニンニク、トマト、タイムを入れ、軽く塩をふり炒める。
5. 鍋に 2. で漉したゆで汁、水切りしたビーンズ、豚足、トマトペースト、塩、コショーを入れ味を整える。
6. 器に盛る際にタイム、セロリの葉、チリソルトを散らす。

ジャスミンライスはタイ米の最高級香り米。タイ米に比べ味粘り香りが強く、肉や野菜の旨味が凝縮された料理との相性抜群。
タイジャスミン米 5kg ¥3,726
トンファ/タイ

沖縄の稲作発祥地、南城市玉城仲村渠地区より届いた希少性高い赤米。6月中の限定販売。
赤米 3合 ¥1,390
仲村渠稲作会/沖縄

「レッド ビーンズ アンド ライス」用に、小さくカットしたサイズで限定販売。
豚足 500g ¥429
IVANO/沖縄

レッド・キドニービーンズとして知られる赤いんげん豆の水煮。使いやすいエコパック。
レッド・キドニー
380g ¥248
CIRIO/イタリア

唐辛子やガーリック、パプリカなど8種もの食材をブレンド。辛味の中に深い後味を残すチリシーソルト。
チリシーソルト 50g ¥550
CORNISH SEA SALT CO/イギリス

 
ガストロノミスト(農食文化・環境社会学研究家)
伊江 玲美
1976年東京生まれ、ルーツは沖縄、幼少期をアメリカで過ごす。2005年にスタンフォード大学にて持続可能な発展途上地域開発と起業論を研究。帰国後、一次産業と食文化を統合したコンサルティング会社を起業。2012年にブータン王国のGNH Center(国民幸福度を考えるセンター)の日本大使に任命される。2015年、イタリア食科学大学にて修士号を取得し、Slow Food 国際本部アジア局日本ディレクターに就任。活動は日本の食文化、食の叡智の発信、農業・漁業継承の促進、また恩納村を中心にフードロス食材を活用した無料弁当を子供達へ提供。