Posted on 2024.10.02
日本に行きました!日本に行きます!
日本は凄い国です。今、一番行きたい場所です!
自国愛に溢れるヨーロッパの人たちがパリオリンピック開催国に着いた、
日本からきたわたしたちに浴びせる凄まじい日本コール。
円安の影響もあり行きやすい国となった一因もあると思うが
アニメのこと、文化のこと、食の美味しさのこと、街の清潔さ、安全性、
日本人の礼儀や優しさなどについて目をきらきらさせながら、仕事で会う人、
街で会う人が語りかけてくる。
なんとも嬉しいし、何やら納得して自慢げに答える自分も隠せない。
そんな風に始まった今回の旅、パリからミラノへ二週間。
ロージャースで展開するブランドの次なるシーズンへのコレクションを見定める日々。
さらに新たな出会いを模索し、世界的規模の展示会場へも足を運ぶ。
前半のパリは、レディース全般のマーチャンダイザーであるフロアマネージャーと
フランス出身でロージャースの輸入業務を担当するスタッフが同行した。
彼にとっては初の現地買い付け体験である。
すでに知る取引先の担当者と実際に会って握手し、ハグをし、
会話する様子は微笑ましく頼もしい。
フランス人である彼がなぜ、日本の、しかも沖縄にいるの?から始まり、
彼は彼で、母国語で沖縄のあれこれを説明し、会社の歴史を伝え、沖縄に来るべきだ!と
大いに盛り上がり、どこの取引先でも、彼はもう半分日本人だ!パーフェクトだ!と
みんなが彼の仕事を褒め讃えた。
そんなこんなのコミュニケーションを委ねながら、
インテリア、雑貨、アクセサリー、ファッションと次々と物色に精を出す。
新鮮な感覚で私たちについてくる彼のリアクションがまた楽しい。
家具やオブジェが美しくプレゼンされた、大きな商材を見ている時はなんだか余裕があった。
すぐにでもバイヤーデビューできそうな感じ。
ところがハンガーラックに数えきれない、溢れるほどの、見渡す限り広がる、
とてつもない量の衣類を見た時の彼は目がまんまる、何が何だか、
どうやって手伝えばいいのかまったく検討できないという顔つきになり、両手をあげた。
なぜあれはダメでこれはいいの?
同じようにしか見えないのにどうしてこのブランドを選ぶの?
そんなためらいを一日中経験し、目から溢れる分量の情報をぶち込んで、
作り手、売り手、買い手の止まらない会話に身体を傾け、だんだんと落ち着き、
なるほど、わかった、とウインクして最後のドキュメントに目を通す。
歩き疲れた私の荷物を手に取り、日本語と英語とフランス語をマンチャーしながら
沖縄のお客さまの顔を浮かべ、店の姿を描き、あの商品はどんなふうに売ったらいいですかね?
と想像を膨らませ、次なるシーズンへのサプライズを企みながら後半のミラノへ向かう。
ミラノでは一人沖縄からやってきたメンズバイヤーと合流。
フランス人の彼は二日遅れでパリから合流。一時間ちょっとのフライトで空気が変わる。
パリはやっぱり大都会だから、正直いうとこちらの方が居心地いい。
物価も少々安く、街角の小さな食堂でもハズレなく食事が美味い。
ものづくりも、企業というよりファミリービジネス、家内生産的ブランドと出会えるので
我々とウマが合う。
長い付き合いになるファッションの先生みたいなパートナーが数人いて、
いい塩梅のコレクションを紹介してくれる。
小さなショールームで彼らのセンスが詰まった空間に身を置き、
心地よい音楽に漂い、お茶を飲みながら
少量オーダーに文句を言わず色を選び、サイズに対応するなんとも古風なサービス。
日本市場には未だ届いていない、小さなマニュファクチャーが創る小さなコレクション。
等身大プラスアルファの、品質の良いメイド・イン・イタリーに出会う快感が全身を包む。
メトロから階段を上がるとなんだか日本語らしき声が聞こえてくる。
大聖堂ドゥオーモの広場はスポーツのイベントのようで多くの人で賑わっていた。
空手着をきた30人くらいの男女が不動立ちで師匠らしき人の声を懸命に聞いている。
空手って沖縄が発祥よね。分かりきったことを確認しながらすごいなあ沖縄、と胸に手を当てた。
コンパクトに生活できる島の風土や気候に安堵する年齢となり
外国に出かけるのが徐々に億劫になっているこの頃。
もう少しだけ沖縄に持ち帰る素敵なスタイルに出会う時間と気づきを慈しもう。