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la souvenir

Posted on 2025.05.29

Our Roots

「月苑飯店に飾られた古い写真を指差して、懐かしそうに話している方がいるのですが、何か創業者と関係がありそうです。」
スタッフの機転に助けられ、カジュアルな装いで英語を話す四人を見つけることができた。
そっと近づき、覗き込むように「もしかしたらショーンさんのご家族ですか?」と尋ねた。
「はい、ショーンです。私たちは姉妹。こちらは妹のハズバンド、そして姪のクリスティーナです!」
この世で一番会いたかった人たちが目の前にいる。
45年ぶりの沖縄だという。
プラザハウスがあの時代のまま残っている。私たちが知る沖縄はここにしか無い。
父(プラザハウス創業者ショーン氏)の仕事を受け継いでくれてありがとう、何度も手を握ってくれた。
姪が家業を継ぎ、母(ショーン氏の奥様)は九十七歳でとても元気。姪が一緒に暮らしています。
母は「百歳になったら沖縄に帰ります」と今でも沖縄に思いを馳せています。
創業70年のマジック。引き寄せられた魂。点と点が線になる。
きっとショーンさんからのギフト。
数日後、姪のクリスティナさんから届いたエッセイを記します。
戦後80年に知った美しいお話です。
 
 
Our Roots: Lessons from Okinawa
 
おはようございます。
家業を特別なものにする根底には、家族の伝統があります。
それは、家族を経済的に支える具体的なものを築き、それを最も愛する人々と共に実現することです。
今週、私は母が育った島を訪れ、母の家族が営んでいた会社について詳しく知る機会を得ました。
私の祖父(母の父)は1949年に沖縄に移住し、米軍の食堂建設を手伝いました。
彼は多くのビジネスを創業してきた実業家として、米軍関係者やその家族のニーズに応えるビジネスチャンスを次々に見出していきました。


ショッピングセンター、瓶詰め工場、レストラン、ベーカリーを建設し、沖縄の観光産業の土台となるものを築いたのです。
私たちは、祖父が建てたショッピングセンター、プラザハウスを訪問する機会を得ました。
不動産マニアの私にとって、このセンターを私たちから買い取った家族が、その後数十年にわたってこの土地をどのように活用してきたのかを知ることは、とても特別な経験でした。
彼らは元の建物を保持し、その周囲にモダンな内装を施し、1950年代当時の沖縄の姿を今に伝えています。
正にここは1950年代と60年代の沖縄の面影を今に残す最後の遺構と言えるでしょう。
私たちが訪れたのは、地域社会のランドマークとしてこのショッピングセンターを称える70周年記念特別展が開催されていました。
写真は、母と叔母(ウェストレイクで働いています)、そして私自身が、祖父を称える展示の前で撮影したものです。
祖父の早すぎる死は、沖縄での事業の終焉へとつながりましたが、その存在は今も家族の物語の中で生き続けており、私は何度もその話を聞いて育ちました。
私がウエストレイクの三代目として、なぜこれほどまでに強いモチベーションを持っているのか―その理由のひとつには、母方の家業が辿った運命を前にして、「家族の物語」やその「物理的な証」である不動産を守り続けるという想いがあるのだと思います。
私たちの物語、事業(不動産そのもの、そして社員という大家族)、そして私たちの価値観は、それぞれが密接に結びついており、まさに家族ごとにしか持ち得ない特別でかけがえのないものです。
これこそが、次世代のためにビジネスを成長させようという私の真のモチベーションです。
取引は楽しいものですが、消え去るものです。
今週、私は家族の「物語」と「価値観」は、たとえ事業そのものがなくなっても、ずっと残っていくものだということを学びました。

          Kristina Chang