Posted on 2025.07.26
水を得た魚のごとく活躍する中堅スタッフを連れてお江戸へ上がった。
朝早い便に乗り込むことさえ楽しく、
どこへ行こうか、何を食べようか、と心躍る。
もちろんビジネストリップに違いないが
楽しい空気、新鮮なサービス、
興味津々なモノとの出会い全てが社業につながる幸運ゆえ、
遠慮なしのルンルンでいい。
街歩きは二の次に、目的明確な2社を訪ねた。
最初の一社。
2023年秋にオープンした麻布の新しいランドマーク
麻布台ヒルズのオフィスへ。
緑に包まれ、人と人を繋ぐ「広場」のような街、
世界が注目するグリーン&ウェルネスという価値を
東京の中心で表現するピカピカの場所へ!
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長するクリエイティブカンパニーがそこにあると
理解しつつもこちらは足元浮立ち、そのまま帰ってしまいたい気分。
同行してくれるひとまわり年下の、ブラザーのような
東京の仲間の顔を見つけ安堵し、どうにか階上の、
まるでカフェのような、自由でおっ洒落なオフィスに辿り着いた。
コレクションされたアートや調度品のセンスの良さに口を開け、
なぜここにいるのかをポカンと考えながら、
沖縄に誕生するプロジェクトの説明を聞いた。
7つの海を駆ける水兵さんになった気分。
次の場所へ。斬新な東京から下町の商店街へ。
振り幅の大きさに自ら戸惑いながら、
通りにある果物屋、豆腐屋、雑貨屋を眺めほっとする。
こんな景色こそがレアであり、これから創るにはもっとも難しい。
100年を超える老舗企業との打ち合わせは、夢に溢れ、足元は踊り、
麻布台のひと時が相乗し、鳥の目虫の目魚の目、コウモリの目までを
一挙に知る好機となる。
夕方から始めた対面会議は、確認事項とアイディアを次から次へと生み出し、
おかげさまで美味しい宴席へと繋がった。
連れ立ったスタッフ、それはそれは大喜び。
翌日、行きたい場所があります!
積極的なスタッフの声に誘われ向かった「フォレストゲート代官山」。
文化と感性の備わった都市・代官山に象徴としての「森=フォレスト」を創り
訪れた人々に循環型社会との出会いをもたらす「入口=ゲート」が名称の由来とある。
こちらも2023年誕生。都会にある新しい街は、
環境と共生する先端を描いているようだ。
東京で働いていた時に通った街へ偶然にも着地。
40数年も経たあの時代のことが、
いろいろな思い出が走馬灯のように去来する。
なぜそこにいたのか、
なぜここにいるのか、
立ち止まって振り返ったり、
考えたりする時間がまるでなかったのか、
シーンだけが単純に蘇る。
充実した江戸の締めは渋谷のライブハウス。
ブラザーの仲間が続々集まり、ご機嫌なリズムに腰が躍る。
大人の男たちは見事なエロティズムを纏い、
それぞれの生きざまは五線譜に刻まれそう。
これぞ東京的な夜に、巨匠長濱カメラマン登場。
私の姿を見つけ、お父さんは元気かと微笑み、
カメラを手にシャッターを切る。
遠慮なしのエネルギー充満、一秒一秒、全てがカッコイイ。
生まれた島へ戻る。働く場所へ還る。水陸両用カエルの目。
土曜の夜のイベントに間に合った。
久しぶりに昔の仕事仲間とグラスを重ねた。
お江戸に比べると、老若男女さまざま。
さらに様々な目の色、様々な言葉が飛びかっている。
そういえばブラザーが言っていた。
「姉さん、ここはプラザハウス リパブリックだね。」
心地よい宵が数日のお祭りに幕を下ろす幸福。